1 背景
昭和60年以降、海洋性レクリエーション志向の高まりとともにプレジャーボート保有隻数が全国的に増加しました。船舶・船外機メーカーが周辺に立地する浜名湖でもプレジャーボートが普及しましたが、民間マリーナに所属する船艇を除いて、多くの船艇が湖岸や入り江などに不法係留され、河川管理上の流水阻害、沈廃船の発生、漁業者とのトラブル、係留場所周辺でのゴミの放置等、多くの問題が生じていました。
【第1段階】
(平成8年度時点の調査では、不法係留船6,531隻、うち沈廃船226隻。)
2 対策
そこで、平成10年の「静岡県プレジャーボート対策検討委員会」の提言に基づき、県・各市町と財団は協力して、水域利用の適正化と係留保管施設の整備等を基本に、プレジャーボート不法係留・放置艇対策を計画的に推進してきました。
まず、県・各市町は係留区域と係留禁止区域を設定して「河川利用推進事業」「ボートパーク推進事業」等により係留区域周囲の護岸等の整備を行い、財団は、係留区域の占用許可を得て公共マリーナ及び暫定係留施設を設置し、不法係留船の解消を進めていきました。
【第2段階】
財団は、公共マリーナ等の恒久係留施設への船舶の集約を進めていきました。平成23年3月末に暫定係留施設が廃止され、恒久係留施設である公共マリーナ7箇所、公共係留施設17箇所及び舞阪PBS(プレジャーボートスポット)への集約が完了しました。
【第3段階】
3 現在の取組
暫定係留施設の廃止をもって、浜名湖におけるプレジャーボート不法係留・放置艇対策は一つの大きな区切りを迎えました。
新たな不法係留船や放置艇の発生を防止するため、各水域管理者、海上保安署、警察署と連携して、継続的にパトロールを実施しています。
パトロールで確認された不法係留船・放置艇には警告文を貼付し、所有者に撤去を指示します。この指示に従わない者に対しては、より厳しい法的措置が執られます。